箱根病院のNEXT VISION

2018年06月21日

 

はじめに

私たちは「いのち輝く、癒しの病院」というコンセプトのもと、病院の理想を考え、その実現に向けて様々な挑戦を続けてきました。医療機器の刷新、新病棟の建設、多職種診療支援チームや訪問診療の立上げ等、神経筋難病医療における医療レベルの向上と診断・治療から長期療養・終末期まで病院がサポートできる領域を広げました。

 

また、患者さんやご家族の日常がよりよいものになるために、それぞれの職員が日々できることを考えた結果、多くの工夫や催し物が今も生まれ続けています。

 

組織としても、技術を持ったベテランに神経難病医療への強い思いを持って加わった若い職員も増え、素晴らしい人材が集まる病院になってきていると感じます。

 

職員の皆さんのたゆまぬ努力のお陰で理想の病院の形が少しずつ見えてきた今、箱根病院は次のステージに向けて歩みを進めたいと思っています。私たちがこれまで積み上げてきたものを土台に、これからどのような未来を目指していくのかをお伝えしたいと思います。

 

 

NEXT VISION

 

「日本有数の神経筋・難病医療センター」

 

これが、箱根病院の目指す次のステージです。私たちは「いのち輝く、癒しの病院」というコンセプトはそのままに、神経筋・難病医療の領域で誰もが知っている病院を目指します。

 

“日本有数の”というのは、この分野を先進的にリードして、見習ってもらえる組織や人となるということです。これは、一流の技術力とホスピタリティを持つというだけでなく、箱根病院が提供していることを社会へ広めることで、神経筋・難病医療の社会的認知度を高める一翼を担うということです。

 

全て特別なことを新しく行うというわけではありません。患者さんのためにできることをみんなで考え、現場に実装する。そしてその成果を社会へ伝えていくことを地道にやり続けた先にある未来です。

 

具体的にどのような病院を目指すのか「サービス」「施設」「職員」という3つの軸でお伝えします。

 

 

サービス 〜一流の技術とホスピタリティへ〜

箱根病院は、究極のポスピタリティを理想に掲げ、それを構成する高い医療技術と心温かいサービスの提供を推進してきました。

 

これまでの成果は、多職種診療支援チームというプロフェッショナル医療チームの他、充実した患者支援を十分なマンパワーで実現すること、様々な研修や勉強会の開催、沢山のレクリエーションや動物介在活動である「ワン・プロジェクト」などを通じて患者さんへ癒しの提供、家族を主役にする「ケアラーズカフェ箱根茶屋」など多岐にわたります。

 

また、診断、治療、長期療養に加え、在宅医療の支援、かながわ難病相談支援センターでの相談業務、地域の関係機関と連携し顔の見える関係で共に学ぶ「風祭フォーラム」など難病医療におけるすべての領域をカバーし、サービスの幅を広げました。

 

私たちは医療技術とサービス面で多くのことに取り組み、やれることを増やしています。しかし、そこに満足することなく、これからは一つ一つの取り組みの”質”にも目を向け、それぞれがもっと素晴らしいサービスとなることを目指していきたいと思います。

 

まず、大切なのは学びの継続とプロフェッショナリズムです。これまでも作ってきた学びの場を継続・発展させるとともに、医療や介護に携わる者としての心構え、すなわち医療者の倫理を、お互いのディスカッションを通じて確認しあいながら日々を過ごせるようにしたいと思っています。

 

少し具体的な例をあげましょう。まず、病棟を7対1の施設基準に移行します。可能な限り沢山の看護職員で出来るだけ密な看護を提供するためです。また、医療技術の向上を求めるなら、一流を知ることが大切で、開始後6年目を迎える「箱根で学ぶ神経難病看護シリーズ」は、日本難病看護学会との共催により病院近隣の会場で沢山の職員が運営に関わって、毎回、一流の講師から沢山のことを学んでいます。リハビリテーション分野では、神経難病の患者さんの多くが問題を抱える呼吸リハビリテーションについて、本邦の権威に直接指導を仰ぐ機会を毎月設けるなど、身近に一流と触れ合う経験が積み重なってきています。これからも、このような高度な理論と技術を沢山の職員が身近に学べる機会を益々増やしていきます。

 

これまで、主に看護部で実施されてきた「箱根塾」は看護倫理を培う場としても使われてきました。今後は、より多くの職員が参加して臨床倫理や業務に関するディスカッションが活発になる新たな試みも視野に入れます。

 

また、新しい医療技術やサービスを研究し積極的に取り入れた社会実装の場になることで、病院の医療の質を高めて、神経筋・難病医療のリーディング・ホスピタルとなれるように実力を蓄えていきたいと思っています。

 

そのために、職員の皆さんが学んだこと・身につけたことを院内外と共有していくことも大切な振る舞いです。人に伝えること、説明することで自分自身の理解も深まります。専門病院職員として院内だけでなく広く神経筋・難病医療のサービスの底上げを図り、神経筋・難病医療の社会的認知を拡げることに尽力しましょう。

 

そして、患者さんのための医療技術とホスピタリティを職員・組織全体が追求し、みんなで社会に認められる病院を目指しましょう。

 

 

 

施設 〜一流を支える空間へ〜

箱根病院は平成26年、「いのち輝く、癒しの病院」のコンセプトを体現する新しい病棟を作りました。患者さんにはグラデーションの効いたカーテンや病院を極力感じさせないギャラリー風インテリア、海外から材料を取り寄せたタイルでデザインした浴室でミストシャワーを使った入浴などの居住環境で自宅のいるように寛ぎのある癒される施設を目指しました。広々した病棟の明るいスタッフ・ルームなど職員にとっても過ごしやすく、働きやすい場になったと思います。

 

しかし、施設は作って終わりではありません。患者さんにとってより寛げる空間とはどのようなものか、そこで働く医療者やサービスを支える施設とはどのようなものかを常に考え、空間を進化させ続けることが大切と思っています。

 

また、業務環境の改善を意識して日進月歩で発展するテクノロジーに目を向け、よりよい医療につながる職場作りをし続けることも大切なことです。3年前に導入されたiPadを使った遠隔患者モニターを皮切りとして、これからは職員が勉強しやすいカフェのような図書室や、職員同士で勉強会やディスカッションし易い環境の導入も考えていきたいと思っています。みんなで知恵を絞り、働いて楽しくなる施設に向けて病院を進化させていきましょう。

 

 

職員 〜一流のチームへ〜

より良い組織とは、チーム一人ひとりが尊重しあい、高め合う。困ったときは助け合う。そんな強いつながりのある集団です。すばらしいチームプレイが出来るからこそ、ひとりひとりの職員のパフォーマンスが上がり、才能も開かれていきます。

 

一つのチームになるために、まずは、みんなが同じ方向を向いてベクトルを大きくすることが大切です。「いのち輝く、癒しの病院」を体現しながら、日本を代表する神経筋難病医療センターを職員全員が目指す。つまり、“一流のサービス”と”一流を支える空間”を作り上げていく中で、箱根病院がひとつのチームとなっていくことができると考えています。

 

みんなで切磋琢磨し、議論しながら方向性を見出すチームを目指しましょう。そして、箱根病院の素晴らしいチームの一員として、誇りを胸に医療や介護に従事する職員になることを目指して下さい。

 

 

ここまで、箱根病院のNEXT VISIONについてお話をしました。日本有数の神経筋・難病専門病院になるというのはとても大変なことです。それでも一歩一歩、一つずつ着実に、職員のみなさんとともに理想を考えながら、進んでいきたいと考えています。

 

「いのち輝く、癒しの病院」として「日本有数の神経筋・難病医療センター」となることがこれからの箱根病院の進むべき道筋です。

 

 

 

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