箱根病院がホームカミングデイを始めて4年になります。
毎年、8月の第3水曜日に向けて大変な下準備があり、夏の特別な1日を迎えます。
そして、病院が一つになります。この8月17日は、私たちにとってリオ・オリンピックにも負けない大イベントでした。
その日のご挨拶から、私の心の高ぶりをご想像ください。
お集まりの皆様、こんばんは。
本日は、箱根病院ホームカミングデイにようこそいらっしゃいました。
ホームカミングデイは、箱根病院で働いた職員の里帰りの日でもあり、箱根病院に関わる人々全員で楽しむ夏の特別な1日でもあります。今日は、心配した台風も祈りが通じたかのように東に去り、暑い暑い夏の1日でありました。
14時に暑い中で始まった縁日、アートギャラリー箱根2016、そしていよいよ花火大会で、今日を締めくくりたいと思います。
今日の催しを実行するにあたりまして、ボランティアとしてご参加いただきましたたくさんの皆様、素晴らしい演奏をしてくださる東海大学吹奏楽研究会の皆様、そして株式会社マルゴーの花火師の皆様に、心より御礼申し上げます。
加えて、業務とはいえ今日の準備の中心を担ってきた療育指導室長と室員の3人に感謝したいと思います。皆さん、拍手をお願いします。
箱根病院は、神経筋・難病医療センターとなって5年目を迎えました。新病棟が開棟して以来、患者さんの数も増えております。また、難病医療や難病看護を志す若い方々が仲間にたくさん加わってくれています。今は、これまでに箱根病院が培ってきたこの分野の経験や技術に若い力が加わり、化学反応を起こし始めています。これから、神奈川県や日本の難病医療の中心的存在として機能できるように、努力を続けていきたいと思っているところです。風祭そして大窪地区にお住いの皆様にも、これまで同様に箱根病院へのご支援をお願い申しあげます。
今、この会場には、ご入院中の70%の患者さんがご自分のベッドを離れて、またベッドのままでいつもの位置を離れて参加されています。人工呼吸器を使っておられる患者さんも50人以上おられます。このことは職員の患者さんへの愛情、仕事への気概によって支えられています。私は、このようなことができるのは箱根病院以外にはないと思います。さらに、安全に配慮しつつ、無事に終えることが、箱根病院職員の実力でありプライドでもあります。
さあ、ご挨拶はこのくらいにして、花火を楽しみましょう。箱根病院職員の皆さん、患者さんに花火を楽しんでいただくという、この大きな大きなミッションをみんなでやり切りましょう。
無風、晴天で満月も見守る中、嵐、ZARD、ゆずなどの曲をアレンジした素晴らしい演奏にあわせて力強く花火が上がり、最後は富士山型のナイアガラで締めくくられました。その間、吸引や呼吸器のチェックなどに従事する職員もいました。そして、患者さんの帰棟も無事に終わりました。私には「今年も無事に花火を打ち上げられた」という安堵感もありました。
夜遅くなって、花火大会の終わりを待っていたかのような激しい雨がキャンパスを濡らしました。翌朝までに体調に変化を示した患者さんもいず、まるで何事もなかったかのような日常に戻りました。職員のミッションも終了しました。
夏の1日が過ぎ、ようやく夏休みを取る職員もいます。しばしの安息ののち、秋への準備が始まります。誇りを持ち続けられる箱根病院へ、歩みは続きます。