去る10月27日(土)午後14時から茨城県東海村総合福祉センター絆ホールで、心魂プロジェクトによる「歌と踊りで世界旅行」の公演が開かれました。
茨城県での公演は初めてで、その上県都の水戸市ではなく東海村という小さな地方での開催で、来客が果たしてきてくれるのかという心配の中開かれました。結果、地元支援者の皆様の活躍で80名ほどの観客が集まり、小ホールではありましたがほぼ満席という盛況でした。
私は息子が転勤で東海村の近くに住んでいることと、娘も観劇したいと言うことで親子三人で観劇しました。
今回の公演は「歌と踊りで世界旅行」と言うことでしたが、茨城県で初めての公演と言うこともあったのでしょうか、公演の中で主宰者の寺田さんが心魂プロジェクトの活動の思いや「お母さんに感謝」という言葉が何回も語られました。前半で有永さんが「私達の活動を背中から支えてくれている一通のお手紙をご紹介します。」と前置きし、先日伺った箱根病院のALS患者さんからの手紙を朗読されました。
内容を簡単に紹介すると、昨年の箱根病院での公演時は車いすで観劇できたが今年は寝たきりになりベットからの観劇でした。手紙を書くのも近く叶わなくなると思うので、今の思いをしたためましたと始まりました。二人の母親として頑張ってきた思いの中で、下の娘が就職することになり晴れの舞台に着せてあげたいスーツを買いに行ったところ、着せたいスーツは予定していた予算を上回り断念せざるを得なかった。数日後上の息子が袋を抱え帰宅し、自分に黙って渡しました。中を見ると買えなかった娘のスーツでした。
驚きの中息子に聞くと、高価な服装でなく着せてくれようとする母親の気持ちが大切なのだと話してくれ、なんと素晴らしい子供達なんだととても嬉しい思いをしたという。不治の病である自分に子として心のこもった気持ちを与えられ、これほど嬉しいものはなかった。
心魂プロジェクトの皆さんが人に与える心のプレゼントは自分たち親子に通じるもので、これからも難病の皆さんに伝えていってほしいという内容のものでした。
朗読の後寺田さんがこの手紙に思いを込め歌ってくれました。素晴らしい歌声の寺田さんの目から光るものが見えました。心魂プロジェクトの目指している事がこのように実現している事を知り大変嬉しく思いました。
母親に感謝というのが今回の公演の本当のテーマだったと勝手に思い、高揚した余韻を残しつつ帰路につきました。