久しぶりに箱根病院のブログをのぞいてみたら、ミニトマトが猿に食べられることもなくすくすく育っていることに驚きました。よかった、よかった(^-^)。
さて、私(薬剤師です)は6月16日から20日まで5日間、NST(栄養サポートチーム)に関する研修に参加させていただきました。
箱根病院の母体は国立病院機構という大きな組織です。箱根病院単独では学ぶことが難しい研修でも、同じ国立病院機構の他の施設で学ぶことができます。今回は日本静脈経腸栄養学会が認定する教育施設である東京医療センターで研修を受けてきました。
今回の研修を受けることで「NST専門療法士」という認定資格を受験するための条件のひとつがクリアできます。
NST専門療法士は看護師、栄養士、リハビリテーションスタッフ、臨床検査技師、薬剤師、歯科医、歯科衛生士といった職種がとれる認定資格です。簡単に言うと栄養に詳しい(コ)メディカルスタッフです。
5日間の内容を…といってもほとんど感想をお伝えします。とても楽しい5日間でした!
5日間の研修の一番最初は『水と電解質』といった話から始まりました。NSTでは口から食べる食事以外にも、胃ろうや経鼻チューブから入れる経管栄養剤、血管に直接栄養や水分をいれる輸液が対象です。栄養を入れるよりも前にまずは水分や、ナトリウム、カリウムといった電解質が整っていることが非常に重要なのです。輸液の中にも高カロリー輸液といわれるものがあり、腸を使えない状態にある時はすべての栄養を血管の中に直接投与します。このあたりでは栄養士だけではなく、薬の知識を持った薬剤師の力が必要になってきます。忘れかけた(汗)基礎知識を勉強することができました。
研修の中で、VF、VEといった嚥下(飲み込み)の検査を見学させていただきました。これらの検査はリハビリ科の医師、耳鼻科の医師、言語聴覚士、栄養士、放射線技師が協力して行っていました。実際に検査をしながら”どんな形(液体、ゼリー、ムース、お粥など)” を”どんな体位(リクライニングの角度)”で”どのくらいの量”が一番適切かを話し合っていました。普段の嚥下訓練の様子や、患者さんの食べ方のくせなどもよくみて医師にアドバイスしている言語聴覚士の姿がとても印象的でした。
周術期という言葉をご存じでしょうか?字の如く、手術を受ける周り(前後)の期間のことです。箱根病院ではたとえば胃・食道を切除するような大きな手術はありません。なのでこのあたりの研修内容はとても新鮮で、驚きの連続でした。手術をする前の栄養状態が手術そのものに与える影響や、手術中に受ける体への影響(口を開け続ける、など)、手術を受けることで変わる体の状態(胃がなくなる、など)、普段では考えられないようなことが起こります。そんな時の栄養はどうするか。消化器外科、救命救急の医師から講義を受けることができ、とても面白かったです。一番印象に残ったのは『歯』についてです。患者は手術をする前に歯科医に診察してもらい、必要な処置をしてから手術に臨むそうです。長時間の手術ではそれだけで歯の状態が急に悪化したり、空気の通り道を確保するための管を入れるときに歯が抜けてしまったりと、思わぬことが起きてしまうそうです。NSTのなかに歯科医、歯科衛生士がいると心強いと感じた一面でした。
書きたいことの3分の1くらいしか書けていませんが、なんだか、ものすごく長くなってしまいました・・・・。
この続きはまた後日・・・(予定)
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5日間、研修に行かせていただいてありがとうございました。
この場を借りて、箱根病院の皆様にお礼申し上げます。