ラブラドールレトリバー

2014年01月27日
写真はイメージです。

犬を見せてあげたい!

ある日の午後、一人の看護師が慌てた様子でスタッフステーションに戻ってきました。

「師長さん!師長さん!吉岡さん(仮)を売店まで連れて行っていいですか!!」
と息を弾ませて言います。

何事が起こったのかと看護師長がその看護師に尋ねた所、
「売店に介助犬がいるんです!吉岡さんが好きな犬です。見せてあげたいんです!」


吉岡さんはALSでベッド上での生活です。
四肢の自由がきがず、生活に関しては全介助を必要とされています。
また会話することもできず、長期の入院で大きな変化もない日々の生活です。

看護師長さんの思いもその看護師と同じでした。
「いいですよ。連れて行きましょう!!」

「よかったああ。じゃあその介助犬を連れた方に聞いてきます!患者さんに聞いてきます!」


急いでスタッフステーションを出ていき、すぐに戻ってきました。
「了解が取れました。外来に来た方で、少しの時間ならと了解してくださいました!」
その看護師は、売店に行った時にその介助犬を見て、
「吉岡さんに犬をみせてあげたい」
と思ったけれど、まずは師長の許可をもらわないといけないと思い、慌てて病棟に行き師長さんの許可をもらって、 介助犬をつれた患者さんが帰ってしまわないうちにと急いで売店に戻り、その外来患者さんの承諾をもらって、病棟に戻ってきたのです。

最高の笑顔

移動となるとベッドでの移動です。
それ急げと吉岡さんには簡単に状況を説明してい、売店までベッドを移動しました。
介助犬はラブラドールレトリバーです。


吉岡さんがかつて元気な頃、ご自宅で飼っていた犬も同じ種類でした。
介助犬に触れることができるように、ベッドサイドに動かない吉岡さんの手を出した所、
介助犬は吉岡さんの手をなめました。吉岡さんが嬉しそうな笑顔を見せてくれました。


吉岡さんは看護師とのやりとりで時折笑顔をみせてくださることがありますが、
介助犬を見た吉岡さんの笑顔は、師長や看護師がこれまで見た笑顔の中でも最高の笑顔でした。

介助犬を連れた患者さんも、
「こんなに喜んでいただけるなら、また来た時にも会いましょう」
と言ってくださいました。


看護師が持ってきたカメラで記念写真もとりました。
その写真は、入院生活の市場面として吉岡さんの床頭台に飾ってあります。

 

 

 





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