患者さんの意思表示は、延命措置の拒否だった。

2013年09月24日

筋緊張性筋ジストロフィーを患う、Cさん。

入院時より、延命措置は一切しないという意思表示をされていました。

かなりの肥満で身体機能が落ちている状況であったが、自力で端座位(椅子に足をおろした状態)で尿器に排尿ができていました。しかし端座位を維持することができず、ベッドからずり落ちることがあり、筋力が低下していることが予測されたCさん。
排泄の方法を更新しなければならない時期にきているのではと思っていました。

写真はイメージです。 そんなCさんが、突然心肺停止状態となった。
対光反射の消失。
対光反射の消失とは、意識障害や心肺停止を起こしたときに確認され、非常に危険な状態です。

気管内挿管後、マスクを使って換気を行うためのアンビューバックによる補助呼吸が開始され、家族に連絡がとられた。

家族が病院に到着するまでの間4時間、スタッフが交代でアンビューバックを押し続けていた。
その間に心拍が戻ったが、自発呼吸はないまま。
両親の到着後、主治医から説明があり、本人の意思どおり「何もしないでこのまま見送ってよろしいか」という確認が取られた。父親はそのようにして欲しいということであったが、
母親に、呼吸だけができないなら人工呼吸器を付けて欲しいと懇願された。

主治医からは心不全状態であること、心肺停止が起こったことによる脳のダメージについて説明したが、
母親の思いが強く、父親も最後には母親の言うとおりにして欲しいということで、人工呼吸器を装着された。


翌日、対光反射が見られないが、自発呼吸が出現し、
心肺も正常な拍動となり、意識も低いが出てきた。

体動が激しいため、また気管内挿管、バルンチューブ、点滴のチューブ等、
自己抜去を防ぐため、四肢の抑制を行わざるを得ない状態である。
気管切開も予定されている。


今後、意識がもっと明瞭になり、
自分が置かれている立場を理解できるようになった時、
Cさんは何を想うのだろうか、今ある命に感謝するだろうか、
それとも自分の意思を伝えていたにも関わらずそのように行動しなかった医療者を非難するだろうか。


 

 

 



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