「魔法使いに見えた、介護士のおばちゃん」

「箱根病院イノベーションチーム(通称HIT)」のメンバーが、
どんな事を考えながら日々の仕事に取り組み、
そして、どんな箱根病院の素敵な未来を思い描いているのかを紹介します。
HIT発足の経緯や想いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も御覧ください。 ip_va


今回は、Tさんのインタビューです。!

異色の経歴を持つ介護福祉士Tさん

Tさんは、大学では数学を専攻し、大手メーカーにお勤めでした。
その後、ある日思い立って、会社を辞め、ヘルパーの資格がとれる職業訓練技術校に入学。

その後、箱根病院に入社され、現在は介護福祉士の資格も取得。
患者さんの得たいものや、病気のことと向き合う介護を実践されています。


「魔法使い」に見えた介護士さん

DSC_2754 もともとは数学を専攻し、大手メーカーに勤めていたTさんが、どうして介護へと転身されたのでしょうか。

前職に居た頃、Tさんのお祖母様が認知症を患い、さらに骨折し、入院されたそうです。
Tさんが病院に付き添いちょうどお食事の時間でした、 他の入院されていた方は、食事時間だったのですが、なかなか食べなかったのだそうです。


午後になって「介護士のおばちゃん」がやってきて食事を勧めました。そうすると、さきほど全く食べなかった人が、その「おばちゃん」の介助であれば、ごはんを食べたのです。その「おばちゃん」は、Tさんには「魔法使いに見えた」のだとか。介護士という仕事があるということも、その時に知ったそうです。


その後、どうやってその職業に就けるのかを調べ、周りから本気か?と聞かれながらも学校を卒業し、 ヘルパー一級・二級の資格をとって、箱根病院へ来られました。今では「あの時の”魔法”は、コツコツと積み上げた、 患者さんとの信頼関係あってのものだと想える」とも。


歯磨きをした時のこと

Tさんが箱根病院に来られて日の浅い頃、だんだんと調子が悪くなっていった患者さんが居らっしゃいました。少しづつ不穏になって、夜騒いだりするようになっていったのです。その患者さんに、たまたま歯磨きをしようと想い、看護師さんの許可をとって歯磨きをしていました。毎晩騒いでいた患者さんですが、部屋を出ようと思った時、ふと「ちょっと」と呼び止められ、一瞬、表情が穏やかになって、「ありがとう」と言われたのだと言います。


一杯のおかゆを前に考える。

その後、様々な病棟に行って、7年ほど経ちました。中でも印象に残っているのが「白いご飯が大好きな患者さん」です。だんだんと体が弱ってしまい、むせ込みが多くなるなどし、ご飯から、おかゆへと食事が変わっていってしまいました。

医療的に見れば、おかゆを食べさせるのが正しいという。けれど、患者さんはご飯が食べたい。おかゆには手をつけようとしない。どうしたら良いのか。答えのない問題です。Tさんは、医師も看護もリハビリも介護も、みな連携して、ひとつの目標に向かって、みんなで考えていきたい、と言います。話し合うことで、その患者さんひとりひとりにとっての最善を見出していきたいと。

以上、Tさんのインタビューを、お送り致しました!




引き続き、HITメンバーのインタビュー記事を掲載していきますので、
楽しみにしていてくださいね。



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