箱根病院は筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症等の神経筋・難病を対象とした医療・看護を提供しています。
患者さんは症状・障がいによって、呼吸、歩行、食事、排泄など普段の活動が困難になっていくなど、日常生活に変化を来します。そのため看護では、患者さんの変化に応じて、生活を整える援助を行います。また薬物療法の管理、経管栄養、人工呼吸器の管理など医療処置に伴う看護が必要です。患者さんが安心して生活が送れるよう、看護はもちろんのこと、疾患、治療、医療機器等に対する専門的な知識と高い技術が求められます。
また疾患と共に生きる患者さんは、ご自分に起こる様々な変化を受容し、生き方の決断しながら生活しておられます。おひとりおひとりの考えを尊重し、療養に対する考え方や希望をお聞きし、可能な限り実現できるよう支援していきます。これは看護部門のみでできることではありません。箱根病院では、さまざまな職種が連携してチームを作り、それぞれの専門性を発揮しながら支援しています。
難病は療養が長期に渡る疾患です。患者さんへの看護はもとより、支援者であるご家族もさまざまな不安や悩みを抱えていることがあります。私たちは患者さんを支える家族の方々へも目を向け、相談、情報の提供、レスパイト入院の受け入れを行っています。またご家族などの支援者が集まるケアラーズカフェ・箱根茶屋を開催し、互いに語り、情報交換ができる場を提供しています。
箱根病院では訪問診療に先駆けて、訪問看護を開始しました。難病患者さんの療養には、呼吸管理、栄養管理、コミュニケーションの看護など、難病看護における専門性の高いケアが必要です。難病患者さんやご家族が安心して自宅で療養することができるように、箱根病院で難病看護の経験を積み、幅広いスキルを身につけた看護師がサービスを提供しています。
このように私たちは、発病早期から継続的にかかわる難病看護の理想を目指して、日々の実践と知識の探求をしていきます。